間違ったカタカナ語 ーニコール・キッドマン(Nicole Kidman)の本当の発音ー

 こちらも「間違ったカタカナ語 ー英語名の俳優やアーティストの人物名の誤表記ー」の中で 説明すべき内容だったと思いますか、こちらについてはさらに詳しく書きたかったので別の記事で書いています。

アメリカには「ネコ(猫)」と言う名前の女の子がいる?

 私には妹がいます。彼女は私に先駆けて、小学校の卒業と同時にアメリカへ渡りました。

 日本の中学には全く通っていなかったので、いわゆる日本の英語教育は全く受けていません。よって彼女はアルファベットも「ABC」までは知っているが、それ以降のアルファベットがわからない位の状態でアメリカに行きました。

 そんな彼女がどうやって英語を覚えたか?というと、それはやはり当然耳から聞いたものをそのまま口から出すと言うことを繰り返し、体で英語を覚えたのです。

 そんな環境で11歳前後からいたので、その年齢も手伝い彼女の英語は発音にうるさいネイティブからも「ネイティブとしか思えない」と言われるほどの英語力(少なくとも発音に関しては)になりました。

 彼女から遅れること数年後、私も渡米し、そこである日彼女の女友達を紹介されました。
 「彼女の名前は猫って言うの。」
 と妹はその女の子を私に紹介しました。
 「猫?」私はちょっと驚きました。
 妹は、
 「そうなんだよ。 アメリカには猫って言う名前の子がいるんだよ。」
 と言いました。

 念のため言っておきますが、妹は私を担ごうとしていたワケでも悪ふざけをしていたワケでもありません。彼女は本当にアメリカには「猫」と言う名前が存在する、と思っていたのです。
 そしてこの段階の彼女は、上記したようにすでにネイティブレベルの英語力を有していました。

 文章という性質上、上記では分かりやすくするためにワザと「猫」と言う漢字を使っていましたが、それは実際我々の頭の中で想い描いた文字であり、発言時にはあくまでも「ネコ」と言う感じで話していました。

 この「ネコ」と言う音をさらに正確に言うと、「ネコ–」と言うふうに、やや伸びた感じではありました。そして「ネ」と「コ」の間には文字で表せない位ちっちゃな「ッ」が入るか入らないか位な微妙な間もありました。 なのでここからは実際にその時に発音されていた音「ネ(ッ)コ–」と表記します。

 私は驚き「へーアメリカには『ネ(ッ)コ–(猫)』って名前の女の子がいるんだ。オモシロ〜イ。」と思っていました。

 そう思いながらも、英語の発音なので、当然日本語の「猫」そのままではなく、上記したようになんとなく「ネ」と「コ」の間には小ちゃな「ッ」が入っていたり、「コ」が伸ばされて、それが上にちょっと伸びるような感じに聞こえました。そして「ネ」も、「ネ」に近いがなんとなく「ニ」も入っている感じでした。なので私はその英語表記を自分のノートに右の絵のように書きました。

彼女たちを『ネ(ッ)コ–(猫)』と呼び続けていたある日

 私の通っていた学校にはその『ネ(ッ)コ–(猫)』と言う名前の女の子が3人ほどいました。

 私は彼女たちをそれからもずっと『ネ(ッ)コ–(猫)』と呼び続け、数年経ったある日のことでした。何かのきっかけで彼女たちの名前が英語で表記されているものを見ました。

『ネ(ッ)コ–(猫)』は Nicole だった!

 私は驚きました。なんと彼女たちの名前は『ネ(ッ)コ–(猫)』ではなく「Nicole(ニコール)」でした。ここで初めて、私の中で「Nicole =猫」と言う方程式が完成したのです

 この話は決して私や私の妹の発音がおかしかったと言う話ではなく、「Nicole」の正確な発音は『ネ(ッ)コ–(猫)』なのです。

 繰り返しになりますが、私の妹の発音はその時点で既にネイティブレベル。私も少なくともネイティブから指摘を受けないくらいの発音のレベルにはなっていました。

 そして私がいた場所は中西部というアメリカの中でも訛りの少ない地域であったことや、周りには(アメリカ人から見ての)外国人が余りいなかったため、彼らは私の発音に対して日頃からかなりウルさく指摘をして来ていました。そんな彼らからも『ネ(ッ)コ–』に関しては、発音がおかしいと1度も指摘を受けていなかったのです。

Lの発音

 日本人が不得意とする「L」の発音ですが、私はある意味この『ネ(ッ)コ–』から、それを無意識に習得していたのです。ノートに書いた『コ–』の後が上にモジョモジョ線で上に上がるような感じ、これが「L」の発音なのです。(特に単語の後に来た場合)

 これをカタカナ語の「ニコール」というふうに発音してしまうと「Ni koo ru」となってしまい、 ネイティブには完璧に通じません。
 「Nicole」の正しい発音「Ni coo le」は『ネ(ッ)コ–』になるのです。

Nicole Kidman (ニコール・キッドマン)の正しいの発音

 よって「Nicole Kidman」の正しいの発音は「ネ(ッ)コ–・キッドマン」。もしくはラストネームももっとカタカナ発音っぽくしないには「ネ(ッ)コ–・キッマン」くらいが正しいと思います。

 「キッマン」にしたのは、 こちらの記事にも書きましたが「Kid」の「d」は破裂音なので、日本語の「ド(do)」ではなく、あくまでも「d」だからです。

その他 Michael Jackson や Billy Joel なども

 Michael Jacksonの「Michael」が「マイコー」に似てるというのは有名ですが、それも同じことです。「(c)hael」の部分は「コ」を同じ様にモジョモジョ線で上に上がるような感じで「コー」と発音することによって「L」の発音で終わる「コォ〜」(「(c)hael」)になります。

 同じ様に Billy Joel の「Joel 」も「ジョー」の「ー」をモジョモジョ線で上に上がるような感じで「コー」と発音することによって正しい「Joel 」と発音できます。

 特に「Joel 」などは母音のない「L」で終わっているため、英語に慣れていない人には、ほぼ「Joe(ジョー)」と同じようにしか聞こえないと思います。

Lの発音をするには?(Lの発音をもう1度)

 モジョモジョ線で上に上がるような感じにするには舌はどのように動きますか?口のなかの上顎に向けて上がると思います。そして、その時舌は喉側の奥の方ではなく歯茎と歯の付け根の方向に向かっていると思います。

正確なLの発音をするには

 その時、舌の先をそのまま歯茎と歯の付け根に付ける。それが「L」の発音なのです。

 しかし私が Nicole を「ネ(ッ)コ–」と呼んでいてもネイティブから指摘を受けなかったように、実際の通常の会話では歯茎と歯の付け根に付けなくても「L」の発音になる場合も多いです。

まとめ

 今回の話のポイントは、やはり英語は聞こえた通りに発音する。そしてその通りに発音しないと通じないと言うことです。


 そして今回の『ネ(ッ)コ–』が ネイティブから指摘を受けていなかったように、自分のノートにカタカナを使って書いていても、それをカタカナ発音をせずに英語らしく発音すれば、カタカナでも英語学習には使える言うことです。


 もしも私が『ネ(ッ)コ–(猫)』を「Nicole」だと知っていて、カタカナ混じりの発音で「ニコール」と言っていたら、きっと発音にうるさいネイティブたちに指摘された、と言うか、まず通じていなかったでしょう。

 皆さんも何かの機会があれば、カタカナ発音で「ニコール」とネイティブに言ってみるといいかもしれません。外国人(ノン・ネイティブという意味)の扱いに慣れているネイティブでない限り、きっと通じないでしょう。
 その際に『ネ(ッ)コ–』も是非試してみてください。 きっと驚きの興味深い体験ができるでしょう。

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