「カタカナ語」と「外来語」との違いは?
外来語はよくカタカナ語と混乱されやすい言葉です。
このページでは外来語について説明をしますが、ある意味結論を先に言ってしまいますが、外来語とは「もとは外国の言葉だが、ほぼ日本語として使われるようになった言葉」の事です。
よって本来の「カタカナ語から正しい英語・会話例を学ぶ」という趣旨からは少し離れてしましますが、飲み屋での小噺やトリビア好きの友達などへの話のネタとして読んでもらえればと思います。
外来語とは
今も結論をすでに書いてしまいましたが、外来語とは、
外来語:
外国の言語から借用し、自国語(日本語)と同じ様に使用するようになった語(借用語)。広義には中国から伝わった漢語も含まれるが、狭義もしくは現在では、主に欧米から入ってきた語を指し、カタカナで表記されるものを指すのが一般。
よってカタカナ語と外来語を分けるキーワードは、「日本語と同じ様に使用する」と「狭義/現在ではカタカナ表記が一般的」の2つでしょう。
カタカナ語は、多くの人が「モトは外国語」もしくは「外国語そのままをカタカナ表記してるだけ」と認識しているのに対し、外来語は「日本語と同じように使われる」ので、実は日本語ではなく外国語だったという事を知らない人が多かったりします。
と言うのも、「カタカナ表記」は「一般的」というだけであって、カタカナで表記されていない外来語も多々あるからです。これが多くの日本人に、それが外国の言葉から来た単語と思わせない理由です。
カタカナで表記されない外来語の代表選手は「天ぷら」ですね。
カタカナで表記されない外来語
天ぷら
これは余りにも有名ですが、
ポルトガル語の temperar(調味料を加える、油を使用して硬くする {三人称単数で tempera})やtempero (調理・調味料)、temporras(金曜日の祭り)、templo (寺の精進料理)、またはスペイン語・イタリア語の témporas (天上の日)が語源と諸説ありますが、「油を使用して調理する」temperaが一番よく知られているのではないでしょうか?
天ぷら
ポルトガル語の「油を使用して調理する」temperaがから来ている。
背広
他にも背広(これも諸説ありますが)が、イギリスの紳士服店街「サヴィル・ロウ(Savile row)」が訛って背広になった、なども結構有名ですね。
背広
イギリスの高級紳士服店街「サヴィル・ロウ(Savile row)」が訛った説が有力ですが、他にも、英語の「civil clothes(シビルクローズ)」が由来だという説。また服職人が背を広く取って洋服を作った事からという説もあります。
他にも駆け足で見ていきましょう。
瓦
まさに「ザ・日本」と言った感じの瓦(かわら)はサンスクリット語の「kapala」が語源だそうです。
襦袢(じゅばん)
これまた日本チックでおばあちゃんチック(個人の偏見?)な襦袢(じゅばん)は元はアラビア語だそうです。
簿記
英語の「bookkeeping」の音から取った、もしくは訛ったもの。
お転婆
オランダ語の「ontembaar」が語源だそうです。
他にも「合羽(かっぱ)」「じょうろ」「かるた」などもカタカナで表記されないませんが外来語なのです。
話の小ネタや、トリビア的なクイズでとして友達に出してみるのも楽しいでしょう。
カタカナで表記されている外来語
こちらはカタカナで表記されているにも関わらず、あまりにも身近で昔からよく使われている単語なので、あまり「日本語でない」という認識がない単語です。よっていわゆる「カタカナ語」とは思われていない単語になります。
でもこれらもカタカナで書かれていると言うことは、やはり外来語なんですね。
イクラ
イクラはロシア語の「魚の卵」を意味する単語です。
イクラがロシア語と知った時には私も驚きました。やはり北方領土辺りで鮭がよく取れるから、そこら辺で昔からロシアとの交流があったからでしょうか?
ちなみにアメリカにあるロシア料理の店に行った時、メニューに「Black Cavier」「Red (Pink) Cavier」とありました。「Cavier」はあのチョウザメの卵のキャビアですね。「え?赤いキャビアって何?」っと思い注文したらイクラが出て来ました。「そうか〜ロシアではキャビアもイクラも同じ分類なんだ〜」っと衝撃を受けたのを今でも覚えています。
シャリ
日本を代表する寿司に使われる言葉「シャリ」の語源は、仏教用語の「舎利(しゃり)」(「遺骨/お釈迦様の骨」)という説や、サンスクリット語で米を意味するsari(シャリ)から、という説があります。サンスクリット語のことは詳しく分かりませんが、いずれの説もサンスクリット語が語源ということですよね?
「しゃり」とひらがなで書かれるケースも稀にありますが、なんで日本伝統食の寿司にカタカナの「シャリ」が使われるのか、これで納得ですね。
ハツ
これまた日本を代表する料理、焼き鳥のハツは英語の「hearts」が語源となっています。
ポン酢
オランダ語の「pons(ポンス)」(柑橘系果実の絞り汁、または柑橘系のカクテル)が語源です。ポンスの「ス」の音がなまって「ズ」に変化し「酢」は当て字が使われました。
サボる
「仕事をサボる」などで使われる「サボる」の語源はオランダ語の「sabot」で「木靴」を意味します。
「サボる」と似た様な意味で日本でも使われる「サボタージュ」はフランス語の「サボ(木靴)を壊すこと」に由来します。この2つの関係も興味深いと思うので、興味のある方は調べてみては?
さて、いくつかの「外来語」を見て来ましたが、「え?これって外国語だったの?」と驚かれる単語が多々あったのではないでしょうか?
「外来語」とは、このようにカタカナで表記されながらも(漢字もあるが)、普段その単語を外国語とは思っていない「日本語化」された言葉のことです。
これに対し「カタカナ語」は「外国語」と認識されている(そしてその多くは本来の意味とは違った意味で使われている)単語のことです。
「カタカナ語」と「外来語」との違いを分かって頂けたでしょうか?
普段我々が「外来語」と認識していない単語は他にも多々あります。興味のある方はさらにご自分で調べてみてはいかがでしょう?