「テスト(試験)」を表す英語、test / exam(examination)/ quizの違いと意味

「試験」を英語で何て言うか?と言う問いに対して、ほとんどの日本人がまず「テスト」と答えるでしょう。それはそれで間違いではありません。ちょっと英語の知識のある人だったら、ひょっとして「exam」と答えるかもしれません。

 test も examも同じ試験を表す単語なのですが、ではその違いは何でしょう?

 ここでは 日本語の試験に該当するtest / exam(examination)/ quizの違いを解説します。

3つのはざっくりとした違い

 最初から結論を言ってしまいましょう。
 3つの違いはざっくりと下記のようになります。

exam (examination) →「厳密な試験」
test →「基準(に対しての合否など)を測る試験」
quiz →「かんたんなテスト」

各項目をもう少し詳しく見ていきましょう。

test と exam(examination)は基本的に入れ換え可能

 日本語で言う「試験」を表すには、大まかに言うと test と exam (examination) のどちらでも問題ありません。これら2つは基本的に入れ換えが可能と思って問題はないでしょう。
 しかし厳密に言うと細かなニュアンスの違いがあります。

exam(examination) →「厳密な試験」

test は名詞と動詞になるが、exam(examination)は名詞としてのみ

 細かな違いを話す前に、まず test は名詞と動詞のどちらにもなりますが、exam(examination)は名詞としてのみ使用されます。

exam の動詞は examine

 exam の動詞は examine で「厳密に観察・試験して吟味する」という意味です。そこから「調査する、検査する、診察する、審査する、考察する」などの意味が派生しています。

名詞

test
exam(examination)

 


動詞

test
examine

exam(examination)の意味

 その動詞が名詞になったのが exam(examination)なので、その名詞の意味も「厳密に検査・調査などをする試験」と言った感じの意味になります。
 よって「exam(examination)」はtest より厳格だったり、より重要な試験のこと指します。

 ちなみに先ほどから exam(examination)と examination が『()』で書かれたいた事が気になっている方がいるかもしれませんが、exam は examination の略語です。
 略語なので examination の方がより正式でフォーマルに聞こえるので、examination はさらに「厳格/重要な試験」という感じに聞こえます。

「厳格/重要度」の順位

 そういった意味で「厳格/重要度」だけでの順番で言うと、高い方から examination → exam → test → quiz と言う感じになります。

 以上の理由から中間試験や期末試験や入学試験等のある意味大掛かりで厳密な試験には test よりexam が使われます。

I passed the entrance examination!
私は入学試験に合格した!
I have to study for the final exam.
私は期末試験に向けて勉強しなければいけない。

中間試験・期末試験について

中間試験

 中間試験の「中間(中期)」は「mid-term」と言います。
 こちらの綴りには「midterm」「mid-term」「mid term」と3通り見あり、どれも使用可能ですが、現代では「midterm」と表記するのが一番多いようです。

 「term」 というのが日本の「期」にあたります。「期」の「真ん中」(mid)で「mid-term」です。
 よって中間試験は「a midterm exam」となります。

There are midterm exams in May.
5月には中間試験があります。

期末試験

期末試験は「a final exam」です。

I have to prepare for final exams.
期末試験に向けて準備しなければいけません。

examを省略して

 中間試験、期末試験ともに「exam」を省略して、単に「a midterm」と「a final」だけで言われることもよくあります。
 「a」と書いたように、これらは数えられる名詞(可算名詞)になります。
 通常、中間試験や期末試験は複数の教科に対して行われるため、複数形で使われることが一般的ですが、当然1つの教科に対しての中間試験や期末試験の話をする場合は、単数でも使用されます。

Midterms Are Coming! = (The) Midterm exams are coming! 中間試験がやってくる!
Finals Are Coming! = (The) Final Exams Are Coming! 期末試験がやってくる!
I think I did well on my midterm. 中間試験はよくできたと思う。
I think I did well on my final.  期末試験はよくできたと思う

 ただしやはり試験中間・期末試験と言う、学校特有な単語と言う性質上、単数形で使ったとしても必ずしも「1つ」と言うことを強調して言いたかった、と言うワケではなく、実際は複数のテストを指しているのだが、まとめて1つのファイナルと言っている場合もあります。

 下記は明らかに「1つの試験2つの試験」と数えていると言う例ですね。

I've got three finals left for the year.
今年はあと3つの期末試験が残っている。

例外

 ただ最初にも言ったように、test と exam は基本入れ替え可能なので、特に会話等では期末試験を final test と言わない事もなくはないです(midtermではまず test は使われない)。ただ「entrance test」とはほぼ言わないでしょう。


 英語を「言葉」として考えると、「期末試験」以外のテストでも final という単語を使うこともあります。その場合、 final の後には必ず exam になると言うわけではありません。例えばいくつかのテストをクリアして初めて合格となるような場合は「final test」と言うこともありうるのです。

There are three tests: first test, second test, and a final test.
テストは3つあります。最初のテストと、2こめのテスト、そして最後のテストです。

余談

 単純に文字上の話の余談ですが、日本語の場合、中間テストのほうに「期」が入らず、期末試験のほうに「期」が入ります。これにに対し、英語では中間試験のほうに「term」が入り、期末試験には「term」が入らないと、全く逆というのは、ある意味面白いですね。

test →「基準(に対しての合否など)を測る試験」

 exam が「厳密なテスト」なのに比べて、test はその「厳密」という部分がなくなるので、やや気軽な試験を指します。  
 試験を受ける側からすれば試験に気軽も何もない!と言うのもあると思いますが、 exam よりはカジュアルで気軽な試験になります。

 よって中間試験や期末試験以外の、日本でも一般的にテストと言われるような試験には test が使われます。

We have a math test tomorrow.
明日、数学のテストがあります。

 繰り返しになりますが test と exam は基本入れ替えが可能なので、この場合 exam でもOKです。そして exam にした場合は test よりもやや厳密な重要度の高い試験、と言うニュアンスになります。

testと一緒に使われる単語

 下記では「blood test」(血液検査)のように「検査」という意味の test の前に使われる単語を紹介していますが、「試験」という意味で test の前に使われるいくつかの単語を紹介します。

an oral test → 口頭試験
a written test → 筆記試験
a driving test →運転試験

 ちなみに test に関してはこちらの記事でも取り上げています。

もとの意味の一部だけが浸透してしまったカタカナ語 -「テスト(test)」-

上級者向け(ナチュラルに聞こえるかどうか)

 試験という意味では test と exam (examination)は基本的に入れ換えが可能と言いました。
キーワードは「基本的」であって、 上記で「entrance test」とはまず言わないと話したように、入れ替えても決して間違いではないが、あまり言わない(ナチュラルではない)場合も多々あります。

診察/検査など医療関係で使う時

 例えば診察/検査など医療系の場合も、test と exam (examination)は基本的に入れ換えが可能なのですが、そのどちらを使うかによってナチュラルに聞こえない場合があります。

一般会話で使われるような簡単な単語を使った検査の場合は test

血液検査

 例えば血液検査のように、高度な検査から比べると簡単な検査は、 exam の「厳密な検査」と意味的な相性が合わないので test が使われるのが一般的です。

○blood test   △blood exam

 ただし基本的には入れ替えが可能と考えると、「blood exam」と言っても決して間違いとは言えませんが、 聞いている側は、なぜワザワザ exam と言ってるのかと思い、何か特別な厳密な血液検査と捉えてしまうでしょう。よって本当に特別な血液検査と言いたい時は「blood exam」もあります。

身体検査(健康診断)

 そうなると、身体検査(健康診断)は1番馴染みがある検査なので、「厳密な検査」と言う認識が薄く、 test が使われると思ってしまうかもしれませんが、こちらには exam が使われます。我々に馴染みがあるかや、気軽に受けられるかと言う感覚は別として、身長、体重、聴覚、視覚など細かなところを色々とチェックしていきますね。そういった意味では「厳密な検査」と言うことになるので、こちらは exam を使います。


 また exam を使わず test を使ったらどうかと言うと、「a physical test」だと、「 体の厳密ではない大雑把なテスト」=「身体能力を測るテスト/体力テスト」となってしまうので、そういった理由からも身体検査は「a physical exam」となります。

a physical exam / examination 「身体検査(健康診断)」
a physical test 「身体能力テスト/体力テスト」

専門的な検査

 さらに「厳密な検査」と言う観点から考えると、最初に述べた理由に該当しますが、一緒に使われる単語がやや専門的な単語の場合は exam が使われるのが一般的です。

A neurological exam (a neuro exam) 「神経学的検査」

さらに上級な細かいところ

 examを短縮しない元の単語がexaminationなので、 基本はexam の代わりにexamination が使えるのですか、何故か入試を意味する「entrance exam」は口語でも、ある程度正式な文章でも「entrance exam」が使われ、「entrance examination」とはあまり使われないです。

 「exam」があまりにも浸透したことと、「e」が2つ続いている上に長い、というのもあるのかも知れません。それでもあえて「entrance examination」を使うということは、かなり説明的だったり定義しているような感じや、かなり形式貼った感じ、もしくは機関名などにのみ使われます。

 下記はそれなりの正式な文章でも「entrance exam」が使われている例です。

Entrance Exams are conducted by many educational institutions.
入学試験は多くの教育機関によって実施される。
A college entrance exam is a standardized aptitude test that measures your aptitude in various areas.
大学入試は標準的な適性検査で、あなたの様々な分野での適性を計ります。

 下記は機関名などに「entrance examination」が使われている例です。

The ISEE is the Independent School Entrance Examination.
「ISEE」は「私立学校入学試験」の略(頭文字)です。
The College Entrance Examination Board (CEEB) was founded at Columbia University
大学入試委員会はコロンビア大学にて創設された。

動詞としてのtestとexamine

 上記しましたが、 test は動詞としても使用できます。そして exam の動詞は examine です。この2つの違いはこれまでと全く同様、 exam の方が厳密な検査や吟味すると言うニュアンスになります。

 ちなみに本題とは外れますが、もっとカジュアルな言い方で「check」と言う単語も同じような意味で使われます。

I had my eyes checked. 目を見てもらった
I had my eyes tested. 目を検査してもらった
I had my eyes examined. 精密な検査をしてもらった

 その他テストが検査や実験実験と言う意味で使われている例です。

They are testing nuclear weapons. 彼らは核兵器の実験をしている。
We need to test this new product. この新製品を検査する必要がある。

quiz →「かんたんなテスト」

 日本語のカタカナ語で「クイズ」と言うと、なぞなぞやテレビ番組でやるような楽しいもの、と言う印象が強いですが、英語での「quiz」は試験の1種も指します。
 ただその場合でも、日本人に馴染みの「楽しいクイズ」と言う雰囲気も含まれているので、 exam や test に比べてかなり簡易的で小規模で気軽なテストを指します。

 この quiz が成績に影響するかどうかはその教師によってや、その quiz の形式、授業でどれだけ頻繁に quiz が使用されるかによって変わってきますが、 一般的には多少なりとも成績に影響します。
 多くの場合は授業の初めに、前回までの復習のような感じで簡単なテスト(quiz)をする、といったものが一般的かと思います。

 また簡易的・気軽と言うのは教師とってもそうであり、例えば通常のテストがタイプされたテスト用紙で配られるのに対し、 quiz は手書きであったり口頭で行われる場合もあります。

My history teacher always gives a quiz at the beginning class.
私の歴史の先生はいつも授業の最初にクイズ(テスト)を出す。
Does this quiz affect my grade?
このクイズ(テスト)は成績に影響しますか?
Quizzes are worth one third of the total grade.
クイズ(テスト)結果は成績の3分の1に値いします。

クイズとよく一緒に使われる単語

 「quiz」とよく一緒に使われる単語で「short quiz」や「pop quiz」、「quick quiz」などといった表現もあります。
 「pop」は「ぱっ」と発生すると言うことなので、日本で言うと抜き打ちテストに近いですが、ポップ・ ミュージックのような 「軽い」 と言う意味もあるので、日本語での「抜き打ち」に対して感じるほどの「嫌さ」はありません。

「short quiz」

 単純に短いクイズ(テスト)のことを言います。

「pop quiz」

 何の前触れもなく行われるクイズ(テスト)のことで、通常は授業などでの成績に関係する場合が多いですが、上記のようにさまざまです。

「quick quiz」

 会話の中でちょっと質問をする時に使われるので、基本は成績に影響のない、たわいのないクイズ(テスト)を指します。「quick」は「パッと」という意味ですが、日本語にすると上の「pop」とダブってしまうので、ここでは「ちょっと」や「たわいのない」が適当かも知れません。 同じような使い方で「quick question」(簡単なちょっとした質問)と言う表現もありますね。

Let's do a quick quiz from our last class.
前回の授業からの簡単なクイズ(テスト)をしましょう。

まとめ

 以上 test / exam(examination)/ quizの違いでした。
 かなり踏み込んだ細かいところの話もしたので、初心者の方はあまりそこまで深くは考えず、大雑把な3つの違いがわかっていれば良いでしょう。

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