日本でよく使われる間違った英語 -年賀状の「あけましておめでとう」の「A Happy New Year」は間違い!-
この記事はもっと早い時期に書くべきでしたね。
ずっと前から気になっていましたが、この「A Happy New Year」が間違っていると言う指摘は、かなり前から言われているものなので、ご存知の方も多いかと思います。
ただ、それだけ言われているにも関わらず未だによく「A Happy New Year」を見かけます。
一体これのどこが間違いなのでしょうか?
文法的には間違っていない
結論を言うと文法的には何も間違っていません。
「year (年)」は数えられる名詞なので「a」がつくのも間違ってはいません。ちょっとおかしな文章ですがこのような文章は文法的には全く間違っていません。
I had a happy new year.
文法的には間違ってないのに、なぜ間違い?
文法的には間違っていないのに、なぜネイティブからは間違いだと指摘されるのでしょうか?
それは、これを文章ではなくフレーズとして使用しているからです。このようなフレーズ単体で使う場合は「a」はつきません。つけないと言うより、つけるとなんとなく不自然に感じてしまうからです。
このように文法的には間違っていなくて、その間違ってる理由が「なんとなく不自然」と言うのは、日本人の最も苦手とするところですね。
「Merry Christmas」にも「a」をつけないから
ただわかりやすい例を言うと、日本人のほとんどが「Merry Christmas」は、そう言う時も書く時も「a」はつけません。「Happy New Year」に対してもそれと全く同じ論理なのです。
メリークリスマスと言う言葉に慣れてるので、クリスマスカードや店頭に「A Merry Christmas」と書かれていると、不自然に感じると思います。それと全く同じことです。
同じようにハロウィーンが日本にどれほど本当に定着したかどうかは疑問ですが、少なくともハロウィーンと言う言葉とハッピーハロウィーンと言う言葉はほとんどの日本人がよく聞く単語になったと思います。その「Happy Halloween」も「a」をつけませんね。
単純に言ってしまえば、これらの例のように「a」はつけないのが基本で、つけるとやはり不自然に感じるからと言うことです。
ネイティブはそれをどのように説明する?
ただ、日本人はそれだけで論理的な何かがないと納得しない人種かもしれません。そのことをどのように説明すればいいのか、あるネイティブに尋ねたところ、彼の答えは、先程の「Merry Christmas」や「Happy Halloween」に「a」がつかないという理由に加えてこう言いました。
「メリークリスマスハッピーニューイヤーはある意味それが 命令形のようなものなので「a」はつけない。
言いたい事は『Have a merry Christmas』のように、『Have a happy new year』と命令形を言いたいのだ。
そしてなんとなく『Have a』で1つの動詞のようなものなので、その動詞の『Have』が 省略されているなら一緒に『a』も省略されないとおかしい。
もしくは、『Happy New Year』は、もう『Hello』のような挨拶のようなものなので『a』はつけない」
と言っていました。
「論理的」と言う意味では充分ではないかもしれませんが、これが私が今まで聞いた中で1番ベストな解説という気がします。
文法的には合っていてもナチュラルではない、と言うのものはいくつか存在します。
先ほども言ったように英語を学んでいる者(特に日本人)からすれば、それはとても厄介な存在です。しかし先程の例のように、日本人でも「A Mary Christmas」はおかしいと感じるように、このようにある意味感覚的なものを学ぶには、やはり英語をいっぱい聞いたり・触れたりして「慣れる」しかないのです。
日本人が日本語が流行っている外国に行って、そこで「年が明けましておめでとう」と日本語で書かれた年賀状を見つけるような感覚ですね。
「年が明ける」 は文法的に何も間違っていないし、意味も通じますよね?ただ明らかにそんな言い方をしないのでおかしい!としか言いようがないと思います。
最後に
「あ〜、そう言えばそろそろまたあの間違った『A Happy New Year』を見る季節だ…」と思ってこの間違った英語を思い出しました。もう少し早く気づければよかったのですが…
「A Happy New Year」で年賀状を出してしまった方は、来年から気をつけましょう。
デザイナーやカード(年賀状)制作会社の方は特に気をつけて!
商品として印刷された後にその間違いが指摘されると大変なことになりますね。
では、よいお年を。