クリスマスに聴くべき BEST クリスマスソングス&アルバムス4

クリスマスベストアルバム4

Boogie Woogie Christmas  The Brian Setzer Orchestra

ブライアン・セッツァー・オーケストラ

 前回のクリスマス大好き男、デイヴ・コーズに引き続き、こちらも今や「ミスター・クリスマス」と言っても過言ではないと思われる、Brian Setzer(ブライアン・セッツァー)率いるThe Brian Setzer Orchestra(ブライアン・セッツァー・オーケストラ)。
 最近はやたらクリスマス・アルバムばかりを連発して発表している。

 そんなブライアン・セッツァー・オーケストラの数あるクリスマス・アルバム中から特に1推しなのがこの、「Boogie Woogie Christmas」だ。

 Stray Cats(ストレイ・キャッツ)解散後から、しばらくその動向は知られるところではなかったブライアン・セッツァーが、いきなり大人数のブラス・セクションを引き連れてブライアン・セッツァー・オーケストラと言うバンドで登場した時、驚きとともにファンは大いに沸いた。

 しかしそれとは裏腹に、当時ビッグバンドは「はるか昔の音楽」となっていた背景もあってか、1stアルバムの「ザ・ブライアン・セッツァー・オーケストラ」はセールス面ではいまいち振るわなかったようだ。

 ブライアン・セッツァーは、昔の「古き良き音楽」が好きなのだろう。
思えばストレイ・キャッツの頃から、当時としても既に古いとされていたロカビリーをメインの3人編成のバンドで、世間の流れは何のそのと目一杯ツッパった音楽スタイルを貫いて来た。

 そして1994年、すでにビッグバンドの全盛期から5〜60年経ち、ある意味「大昔の遺産」的な扱いのビッグバンド形式で活動を再会する。

 音楽好きいや、ギタリスト、そして評論家などからも多くの支持を集め絶賛されてはいたものの、上記のようにバンド結成からしばらくは売り上げ面では低迷を続け、レコード会社からの契約打ち切りなどもあったようだ。

 そしていつからだろうか?私の記憶にあるのは2003年、ニューヨークのRockefeller Center(ロッカフェラーセンター(ロック・フェラー?))での伝統のクリスマスツリーの点灯式で、いきなりブライアン・セッツァー・オーケストラが、クリスマス衣装を身にまといクリスマスソングを披露していた。

1.Jingle Bells / 2.Boogie Woogie Santa Claus / 3.Winter Wonderland / 4.Blue Christmas / 5.Santa Claus Is Back In Town / 6.Baby It's Cold Outside (Duet With Ann Margret) / 7.Nutcracker Suite / 8.(Everybody's Waitin' For) The Man With The Bag / 9.Sleigh Ride / 10.So They Say It's Christmas / 11.O Holy Night / 12.The Amens / 13.Jingle Bells (Instrumental)

画像引用元:Surfdog Records より ©
画像引用元:Rolling Stone Japan より ©
画像引用元:Fox Theater より ©

 女性のバックボーカル2人がセクシーサンタ(?)になり、ブライアン・セッツァー自身もクリスマスっぽい格好をするまではある程度想定通りとなるのだが、なんとオーケストラ(ブラスセクション)の全員がサンタ・スーツで登場したのはかなりのインパクトがあった。

 それがきっかけになってか、それからの彼は次々にクリスマス・アルバムを発売するようになる。

 2002年の今回紹介している「Boogie Woogie Christmas」を皮切りに、その後「Dig That Crazy Christmas(ディグ・ザット・クレイジー・クリスマス)」など数々のクリスマス・アルバムを世に送り出すようになる。

 そしてクリスマス好きのアメリカ人にとって、ブライアン・セッツァーの確かな技術と、懐かしさを感じさせてくれる古き良きビッグバンド形式、そしてクリスマスムードたっぷりなビッグバンド全員の衣装。これらが相まって、セールス的に好調に滑り出すようになった。

 さらアメリカではそのクリスマスソングばかりを演奏するクリスマス・ライブが頻繁に行われるようになった。
 日本でもやってくれないかな〜?(やったことあったようだがアメリカの様にもっと頻繁に)こんなライブを見れたら、その年は他に何もなくても最高のクリスマスになること間違いないのに。

 もっとブライアン・セッツァー・オーケストラのクリスマスの映像を見たい!と検索してみたら、やはりアメリカではそんなクリスマス・ライブを収録したDVDが出ていました。迷うことなく即買いした!

 残念ながら日本版は販売していないので、いつものように米のリージョンコードで見れる環境でなければ再生はできないが…

 さて前記したように、これだけ多くのクリスマス・アルバムを出している中、その中でも私がこのアルバムを一推しするのはJingle Bell(ジングルベル)のインストルメンタル・バージョンが収録されているのが、私の知る限りこれのみだからだ。

 ジングルベル自体は他のアルバムにも収録されているが、それらはどれも彼の歌入り。(別に彼の歌が好きではないと言うわけでは無く、と言うかむしろ好きなのだが)
 どこで聞いたか覚えていないが、初めてブライアン・セッツァー・オーケストラのジングルベルのバージョンを聞いたのがインストルメンタルで、その曲に一瞬で恋に落ちてしまったからだ。


 インストルメンタルなので、お馴染みのジングルベルのメロディーが全てブライアン・セッツァーの素晴らしいギター・テクニックで表現されている。

 クリスマスソングのインストルメンタル・アレンジは色々なところで実によく耳にするが、このブライアン・セッツァーのようにジャズ的なコードをメインとしたメロディー演奏はかなり稀だ。

 またそれを盛り上げるホーン・セクションが混じったバージョンなど唯一無二だ!   
 ギター好きジャズ好きでクリスマス好きの方々には、ぜひぜひ聴いてもらいたい1曲だ。

 ただ気をつけて欲しいのは、同名の同じアルバムでもこのインストルメンタルが収録されてるのは、どうやらBonus Track付きバージョンのみの様なので、購入する際には必ずジングルベルのインストルメンタルバージョンが13曲目に収録されているのを確認してから買おう。

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