大人も子供も楽しめるクリスマスアニメ3 - 楽しいムーミン一家- クリスマスって何?

楽しいムーミン一家

大人も子供も楽しめるクリスマスアニメ3

楽しいムーミン一家

クリスマスって何?

 今回は日本のアニメのご紹介。

 日本のアニメとは言え、そこはムーミン。クリスマスの本場フィンランドで生まれた大人気のキャラクターです。

 日本でも何回かアニメとして制作されましたが、今回ご紹介するのは1990年からテレビ東京系列で放送された「楽しいムーミン一家」(いわゆる新ムーミン)の第36話「クリスマスって何?」です。

 さすがはサンタクロースが住んでいる国フィンランドで生まれた物語のアニメ。このエピソードはめちゃくちゃクリスマス度が高く、お勧めです!

 日本のアニメとは思えないほど本場のクリスマスの雰囲気に溢れています。
 子供はもちろんのこと大人の私も、毎年これを見て歓喜しています。

物語の内容

 冬がやってきて、ムーミンたちは松の葉をたくさん食べて冬眠に入ります。そんな冬眠中のムーミン屋敷に、ヘムルがやってきて、「もうすぐクリスマスがやってくるよ」とムーミンを起こします。

 クリスマスの時期はいつも冬眠をしているムーミンたちは「クリスマス」 と言うものが何だか知りません。
 「 早くクリスマスを迎える準備をしないと大変なことになる。」と言われても、一体何をどう準備していいのか分かりません。

 近所の人にクリスマスが何かと尋ねても、みんな冗談だと思って教えてくれません。それでも少しずつ細切れの情報を手に入れていくのですが、「 どうやらそのクリスマスってやつを、モミの木を飾ったりご馳走を作ってもてなさないと大変なことになるようだ。」と勘違い。

 しかたなくクリスマスを迎える準備を進めていくムーミンたち。 本来は楽しいハズのクリスマスの準備が、ムーミンたちにとっては自分たちを守るための必死の労働になってしまいます。

 物語はこんな勘違いの面白さの中で進んでいきます。それはそれでとても面白いのですが、やはり私が1番このお話を気に入っている理由はその絵柄です。

 一つ一つの絵が、まるで北欧にいるかのように思わせてくれる、日本人が描いたと思えないような北欧ちっくなセンス。 そしてクリスマス独特の、寒く青く透き通った一面の雪景色の中に、クリスマス・ツリーの暖かな光がぽつんと輝いている。そんなクリスマスの何とも言えない暖かい情景が、見事に表現されている作品だからです。

 こちらの作品はやや古いためか、結構な値段になっていますね。

ムーミン谷のクリスマス

 そんな中、近年発売され、私も大歓喜したのがこの絵本「ムーミン谷のクリスマス」です。

 タイトルは「ムーミン谷のクリスマス」になっていますが、内容は今回紹介している「クリスマスって何?」です。あまりにもアニメが素晴らしかったので、ある意味この30分もののアニメ1本では物足りなくなっていた私にとっては、この本が発売されたこと自体が素晴らしいプレゼントでした。

 原作者のトーベ・ヤンソンは亡くなっているので、当然絵は別の方が書いていますが、トーベらしい可愛く優しい感触で描かれていて、カラーも素敵です。 この本だけでも充分クリスマス気分が味わえますね。

その他関連書籍

ムーミン谷のクリスマス (ムーミン・コミックス)

 こちらはかなり昔に手に入れた「ムーミン谷のクリスマス」 と言うタイトルのムーミンのマンガ(コミック)バージョンです。

 こちらはなんとトーベ自身が描いた、当時フィンランドで連載されていた正真正銘のオリジナルものです。
 ムーミンシリーズで1つ難点は、この「ムーミン・コミックス」の「ムーミン谷のクリスマス」と、上の絵本の「ムーミン谷のクリスマス」は 全く同じタイトルなのに中身は全く違うものです。

 そしてこちらは、 クリスマスの準備をするムーミンたちの姿が描かれているのですが、個人的にはあまりクリスマスを感じられる内容ではありませんでした。
 また西洋のマンガにありがちな、4コママンガ的な淡々としたコマ割りで、キャラクターの動きも感じられない例のアレです。

 それでもトーベの描いたオリジナルと言うことと、クリスマスの本場フィンランドの人々がこれを読んでいたのかと想像しながら読むと、ある意味自分をクリスマス本場へ連れて行ってくれるような気分にさせてくれる、とても貴重な本です。

 日本でも発売されたことが嬉しいし、やはり本当のオリジナルという意味でも大変価値があるものと思います。

ムーミンのぼうけん〈3〉ムーミン谷に冬がきた (ムーミンのぼうけん 3)

そしてさらに見つけたのがこちら!

 トーベのオリジナルではありませんが、なんとこちらはコミックバージョンで、しかもオールカラー!
 近年発売されたものなので、よりアニメチックな絵になっています。

 個人的にはトーベの独特で素朴な絵柄は好きなのですが、日本のアニメに慣れ親しんだ人たちからはやや敬遠されがちな絵柄かもしれません。しかしこちらは多くの日本人が共感を持てるような線で描かれていて、さらにやや日本の漫画チックに絵やコマ割りに動きが感じられます。しかもオールカラーのカラーの色使いは西洋を感じさせる色使いで、なんとも素敵な絵本に仕上がっています。

 お話の内容として=ムーミンが冬眠中に目を覚ましてしまう、と言うところまではアニメの「クリスマスって何?」と一緒なのですが、 ここで目を覚ましてしまうのはムーミン1人だけ。その後の話は全く違います。その話の原作となったと思われるのは次に紹介する(小説)「ムーミン谷の冬」です

ムーミン谷の冬(小説)

 そしてその原作はこちら「ムーミン谷の冬」(小説)です。

 上で紹介した「ムーミン谷の冬~クリスマス~ [DVD]」に収録されている「ムーミンとミイの大冒険」(「楽しいムーミン一家」より)の原作もこの(小説)「ムーミン谷の冬」です。

 ようするに

「ムーミン谷の冬~クリスマス~ [DVD]」内の「ムーミンとミイの大冒険」=「ムーミン谷の冬」(小説)

「ムーミンのぼうけん〈3〉ムーミン谷に冬がきた」=「ムーミン谷の冬」(小説)

 ということになります。
 やはりややこしいですね…

ムーミン谷の仲間たち

 そして最後に今回紹介したアニメの原作ですが、それはこの「ムーミン谷の仲間たち」に書かれています。この中の「もみの木」がモトになっているようです。

 この本のタイトルには「クリスマス」も「冬」も入っていないので、探しづらいですね。

→どれも同じ「ムーミン谷の仲間たち」です。

MOOMIN WINTER

 こちらは洋書ですが、たまたま立ち寄ったデパートで偶然にもムーミンフェアをやっていてそこで見つけた本です。こちらはなんと神戸オリジナルのコミック。しかもオールカラーです。大変貴重なもので、上記の「ムーミン谷のクリスマス (ムーミン・コミックス)」よりもこちらの方が見ているだけでもワクワクするのではないでしょうか。

 不思議なことに洋書の取り扱いが豊富な日本のAmazonではこの本は見つけられませんでした(以前はあった)。右には楽天のリンクを載せました。

その他のアニメ

ムーミン谷とウィンターワンダーランド

 こちらは比較的最近発表された作品なので見た方も多いのではないでしょうか?

 実は私は去年のクリスマス用にこちらを入手したのですが、 実はまだ見ていません。タイトルに「クリスマス」と入っていないので、他のクリスマスものを優先して見ていたらクリスマスが終わってしまっていました…

 今年のクリスマスの楽しみに取っておきます。

 新作と思っていたら、1978年〜82年にトーベ監修のもと製作された短編アニメーションを
再編集し、デジタル・リマスターしたものなんですね。

 ムーミンのアニメと言えば、本来はパペット・アニメーションなのですが、日本ではいまいちパペット・アニメーションの受けがよくない気がするのですが、本作品は日本ではどうだったんでしょう?

「旧ムーミン」のクリスマス

 ある程度の年齢の方はご存知かと思いますが、実は日本のアニメ「ムーミン」には、今回紹介している「楽しいムーミン一家」の以前に1969年〜1972年にフジテレビ系列の「カルピスまんが劇場」で放送されたオリジナ(?)の「ムーミン」があるのです。

 少しマニアックな話をすると、この69年〜72年のシリーズの中では、制作会社が東京ムービー(1969年〜1970年)と虫プロダクション(1971年〜1972年)と言うふうに途中で変わっているのです。

 このことから、東京ムービー(69年〜70年)制作のムーミンを「旧ムーミン」、虫プロダクション(71年〜72年)制作のムーミンは「新ムーミン」と呼称されたりもします。

 しかし、その後に「楽しいムーミン一家」が 登場したことから、「楽しいムーミン一家」を「新ムーミン」と呼称し、東京ムービーと虫プロのムーミンをまとめて「昭和ムーミン」や「大塚ムーミン」(キャラクターデザインを担当した大塚康生の名をとって)と呼んだり、「旧作の前期版・後期版」と呼ばれたりもします。

 とりあえずここでは69年〜72年のムーミンを「旧ムーミン」としますが。この「旧ムーミン」の中でも第12話で「ムーミン谷のクリスマス」 と言うエピソードが放送されています。

 これまでの ムーミンのタイトル名の混合を考えると、この「ムーミン谷のクリスマ」がどんな内容なのか分かりませんが、現在わかっているクリスマスを題材にした原作をまとめると、

・「ムーミン谷のクリスマス (ムーミン・コミックス)」
・「ムーミン谷の仲間たち」の中の「もみの木」
・「ムーミン谷の冬」

 の3つですが、
 上の「ムーミン谷のクリスマス」だけは「旧ムーミン」を除外するとアニメ化されていません。「旧ムーミン」でのタイトルも「ムーミン谷のクリスマス」 なので、このコミック版の内容なのでしょうか?そんな気がするのですが、今となっては確認のしようがありません。どなたか分かる方いらっしゃるんでしょうかね?

クリスマス・冬関係のムーミン相関図

 上でも書いたように、 ムーミンのタイトルが分かりづらいですよね。一応私のわかる範囲で相関図的にまとめてみました。

 こうして見てみると「ムーミン谷の冬~クリスマス~ [DVD]」が2話分入っていて、しかもその他にも冬関係のエピソードも入っているので、お得かもしれませんね。

その他の冬関連のムーミンの本

ムーミンのおはなしえほん ゆきがふるよ、ムーミントロール

今回見つけたばかりで、まだ購入していないので内容は解説できませんが…

Moomin and the Ice Festival (English Edition) Kindle

洋書です。

おはなしとさがしもの ムーミンとはじめての冬

残念ながら古本でしかありません。

その他のムーミンの本

 クリスマスと全く関係ありませんが、ムーミンの話をしていると、どうしても他の本も気になってしまいます。ムーミンは、スヌーピーやプーさんなどとは違う独特の北欧の雰囲気を持ち一線を画しながらも、やはり同じような愛されキャラですね。

ムーミン谷への旅

 クリスマスや冬などと全く関係ありませんが、 めちゃくちゃオススメなのがこの本!
 フィンランドの写真やトーベのイラストとともにムーミン谷がどんなところなのかを解説する本で、すばらしい良書です。残念ながら今ではもう古本ですか手に入れることができないようですが。
実際の写真とともにムーミン谷のキャラクターなどが紹介されるので、架空のムーミン谷が本当にあるかのように思わせてくれる素敵な本です。

 「トーベ・ヤンソンのムーミン絵本 ムーミン谷へのふしぎな旅」とはまったくの別物です。(こちらはトーベが書いた物語)

ムーミンの遊べる絵本

レシピ本

まとめ

 さて、1本のアニメからかなりの量の書籍などへと話は飛びましたが、 やはり一旦「ムーミン」「クリスマス」と火がつくと、関連する話題の話が止まりません…

 良書と言うものは(本だけではなくアニメなどの作品もそうですが)意外と廃盤になったりして見つけられないものが多かったりします。

 しかしじっくりと探していくと、「こんなものがあったんだ!?」と驚きの発見にたどり着くこともよくあります。
寒い冬の中、暖かい部屋の中でじっくり、ゆっくりと探してみて、北欧に思いを馳せる言うのも良いのではないでしょうか。

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